楽しく思い出ボックスを作りました。
「大切な思い出・写真・小物」は貴方のセンスで素敵な作品になります。
芸術的ケアとは、貴方が芸術に触れ、芸術の活動をおこない、貴方自身の力(エンパワメント)に働きかけるためのケアです。高齢者の方とのコミュニケーションを大切にした回想法を用い、高齢者の方々の生活経験や身心の状態、個人やグループに応じた造形プログラムを提供します。造形プログラムには作業活動が組み込まれていることから、芸術に触れ、ご自身が造形する体験は、機能改善や残存の能力の維持・向上、また自らの潜在力や可能性、心の健康度が高まり、人生の質(クオリティ・オブ・ライフ)の向上になります。この芸術活動がたとえつかの間であっても、楽しい一時になります。デイサービスはもちろんのこと、老人クラブ、趣味・生きがいをつくるのには芸術的ケアが重要な役割をします。
紹介する芸術的ケアは造形活動が主になっていますが、生け花、茶道等の伝統文化や音楽、コンピュータに関することや、芸術鑑賞、回想法を用いた傾聴においても芸術的ケアはできます。
京都市S老人福祉センターと認知症対応型通所介護事業所/居宅介護支援事業所老人福祉通所施設「H」においての実践例、ここでは、極身近なテーマと材料を用い、誰にでも出来る簡単な造形活動です。
春のテーマ:さくら
回想法を用い、サクラや当時の思い出がテーマです。
色紙を私の好きなサクラ色の形に切り取ります。
画用紙にクレヨンで自分の好きなサクラ色を塗りましょう。そして、思い出す貴方のサクラの形をはさみで切り抜きましょう。あるいは好きな色の色紙をちぎって画用紙に貼りましょう。桜の葉も同様にして作ります。割りばしや針金に凧糸で結びつけたらモビールの完成です。風でユラユラ動く素敵なモビールをお部屋に飾って楽しみましょう。
ポイント:ちぎる、切る、線を描く、色を塗る、つまむ、曲げる、結ぶ等の作業活動です。サクラやそれに関連することを話し、創作することは、貴方の心の援助になります。
夏のテーマ:すいか
回想法を用い、スイカや夏の思い出がテーマです。
色画用紙から切抜いた大きなスイカ
大きな貴方のスイカ形を画用紙から切り抜きましょう。そこに種、皮、果肉を好きな色の色紙をちぎって貼っていく、あるいはクレヨンで描いていきましょう。周囲の人たちと話しながら作っていくと、あっという間にできあがり。色紙の色を選ぶ、ちぎる形を決める、クレヨンの色を選ぶ、多様な塗り方等ははご自身でおこなうこと。すると世界に1つだけ、貴方のスイカが完成します。
ポイント:ちぎる、切る、線を描く、色を塗る、つまむ、貼る等の作業活動です。種をえがくときやちぎった色紙を貼った時には、声を出して数えましょう。夏やスイカに関連することを話し、創作することは、貴方の心の援助になります。
秋のテーマ:落ち葉
回想法を用い、落ち葉や秋の思い出がテーマです。落ち葉を画用紙やカレンダー用紙に並べてみましょう。もちろん好みに合わせて並べてみたり、1枚とグループに分けて並べたり、形の異なるものを組み合わせたりしてみましょう。並べ終えたら葉脈に色を塗りましょう。そして、画用紙に写し取りましょう。
ポイント:並べる、色を塗る、こする、等の作業活動です。秋や落ち葉に関する想い出を話し、創作することは、貴方の心の援助になります。
冬のテーマ:マスク、干支
回想法を用いて、寒い冬の思い出や、待ち遠しいお正月がテーマです。風邪や花粉対策に役立つマスクや干支をつくりましょう。市販のマスクにマーカーで描いてみたり、粘土で形をつくると世界に1つだけのマスクやお正月の干支の飾り物ができあがります。
ポイント:こねる、ねる、ちぎる、切る、積む、丸める、描く、貼る等の作業活動です。ただし、マーカーの匂いが消えるのを待って(5分程度)からつけてみましょう。子どもの頃の冬、お正月の思い出を話し、創作することは、貴方の心の援助になります。
日時 | プログラムテーマ | 材料・用具 |
---|---|---|
1月 | 粘土で遊ぶ | 軽量粘土、折り紙 |
2月 | マスクに描く | マスク、マーカー |
3月 | ひなまつりモビール | 厚紙、割りばし、糸 |
4月 | サクラの木 | ティッシュ、画用紙 |
5月 | こいのぼり | 色紙、ティッシュ |
6月 | テルテル坊主 | 和紙、マーカー |
7月 | 七夕 | 模造紙、色紙、マーカー |
8月 | 大きなすいか | 色画用紙、クレヨン |
9月 | 想い出ボックス | 空き箱、写真、のり |
10月 | 秋の味覚 | 秋の果物野菜、クレヨン |
11月 | カレンダー | カレンダー用紙、チラシ |
12月 | 干支 | 軽量粘土、空き箱、色紙 |
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森田社会福祉士・芸術的ケア事務所
社会福祉士/元京都造形芸術大学教授・現在非常勤講師/二科会会友/芸術療法学会会員
森田実穂
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